世界の都市農家インタビュー①;「とにかく植えろ!」ロサンゼルスのギャングスタ菜園家

街に待った URBAN FARMING

小さな市民運動から始まり、今や世界的な注目を集めている URBAN FARMING(アーバンファーミング)。簡単にいえば、街で野菜や植物を育てることです。自然が少ない都市における、子供達の食育の「教室」や、食糧を供給する「農場」、町の人々が交流する「公園」のような役割を果たしています。人口が減少傾向にある日本においては、空き地の「有効活用」や「防災」、「防犯」にもつながると期待がされているのです。

そこで、今、世界でどんなことが起きているのか。神戸で URBAN FARMING(アーバンファーミング)は広がっていくべきなのか?そうであれば、私たちは何を学べるのか。そんなことを考えるために、私たちは世界の先端をゆく3つのアーバンファームにインタビューをしてみました。

世界のアーバンファーム インタビュー企画

第1回; RON FINLEY(アメリカ);車道と歩道の間の空き地を畑にしたギャングスタ。一度逮捕されそうになりながらも、逆にそれを合法化。

第2回; INCREDIBLE EDIBLE TODMORDEN (イギリス);町中に野菜や果物、ハーブを栽培。誰でも無料で自由にとっていい仕組みに。

第3回; AGRIPOLIS (フランス);世界最大の屋上菜園を運営。世界の人口の50%以上が密集する都市への食糧供給と環境問題にアプローチ。

彼らが何を目指しているのかや、実際の運営方法など、神戸で今から始める人にも役立つ情報や「やってみよう!」と気持ちを突き上げてくれる言葉がたくさんありました。

 

第1回; RON FINLEY(アメリカ)

車道と歩道の間の空き地を畑にしたギャングスタ。一度逮捕されそうになりながらも、逆にそれを合法化。

Plant some shit! ( とにかく植えろ! )と強烈に訴えるRONさん。

ファッションデザイナーからギャングスタ菜園家になったキッカケは、自らが住む街で新鮮な野菜も、農薬を使っていない果物も片道30分も車を走らせないと手に入らないことに腹を立てたこと(アメリカでも深刻な問題となっており「食の砂漠」や「フードデザート」と呼ばれる)。街への抗議の意味も含めて車道と歩道の間のスペース“パークウェイ”を畑に変えていきました。しかも、誰もが自由に野菜や果物を収穫して良い仕組みにした訳です。ギャングスタと呼ばれる所以は、誰の許可を得ることなくゲリラ的に植物をどんどん植えていくため。

しかし活動が進むにつれ、それが違法であると市政から注意を受け、今すぐやめない場合は逮捕される可能性があると言われます。もちろん、応じなかったRONさん。むしろ、人々の健康や生物多様性、街の景観保全に貢献しているとして、市民がパークウェイを自由に利用できるよう嘆願し、逆に合法化することに成功するのです。

「とにかく植えろ!」「森を作れ!」「クリエイティブであれ!」

それから注目が広がり、今やパークウェイのみならず、空き地や空きプールを畑や庭に変える活動をどんどん広げています。
彼の面白さは「とにかく植えろ!」と実践主義であること。「森を作れ!」と畑の中の生態系を考えるよう進めるところ。そして「クリエイティブであれ!」とパークウェイでも、カヌーでも、壊れたタンスでもブーツでも、プールでもどこでも想像力を働かせて畑に変えてしまうところです。

インタビューでは、彼の考え方や、畑の作り方、RONさんの生計の立て方、畑の管理方法など、神戸でも今すぐに役立ちそうな話もたくさんありました。30分程の映像になるため、お時間がある際に是非見て、あなたのアーバンファームに活かしてください。