今が旬の間引き野菜をご存知ですか？｜MICRO FARMERS SCHOOL REPORT

こんにちは、マイクロファーマーズスクール事務局メンバーの久保です。

マイクロファーマーズスクールは神戸市北区上淡河地区をステージとして、農業を学びたい人、その中でも農業と農業以外の仕事の両立を目指す人向けのスクール。9月より開講してから２ヶ月が経ちました。前回お伝えしてからは、「病害虫」「就農・農地法」「出荷調整」についてそれぞれ座学があり、畑での作業は種まきや苗の定植を終え、本格的に野菜栽培期間が始まりました。こまめな草引き、間引き、病害虫退治のためにスクール以外の日にも畑には生徒さんの姿が見られました。とくに生徒のみなさんが苦戦しているのは病害虫の退治。病害虫については次回の記事で詳しくお話する予定です。

さて、本日はいつもとちょっと色を変えて「畑でのおいしい話」をお伝えしたいと思います。

みなさん「間引き野菜」をご存知ですか？

植物を育てるときには「間引き（まびき）」という言葉を聞くこともあるかと思いますが、簡単に言うと生えてきた芽を抜いて作物同士の間隔をあける作業。

植物は種まきをしても全ての種が発芽するわけではないので、基本的には育てたい野菜よりも多くの種をまきます。発芽し成長していくうちに、野菜同士の間隔が狭くなり、根が衝突したり日当たりが悪くなったり栄養が行き渡らなくなったりします。また、風通しが悪くなることで病害虫の被害にも空いやすくなることもあります。間引きはそれらを防ぎ、野菜を成長させるためには、必要で大切な作業なのです。

マイクロファーマーズスクール畑でも、絶賛間引き作業中。

必要な作業とはわかっていても、これまで土作りして種を蒔きせっかく芽が出てここまで育てた野菜を抜くのはすこし悲しいな…と思ってしまうことも。

しかし、間引き野菜も美味しく食べられる、むしろこの時期だけの間引き野菜を食べられるということの贅沢さを知り、考え方が大きく変わりました。

採れたて間引き野菜でサラダバー

畑で間引いたたくさんのお野菜達（なかには収穫サイズのお野菜も！）まずは、洗ってそのまま食べてみる。

「ドレッシングやお塩さえなくても、しっかり味がして美味しい..！」「同じ野菜でもタネの種類や作り手によって味わいが全然違う！」「ひとつの野菜からは、いろいろな味や香りがするんだ..！」いままで意識したこともなかったけれど、野菜には様々な顔があること知りました。

お昼ごはんには、採れたての間引き野菜のサラダバー。野菜にお湯をいれてお味噌をといて即席お味噌汁もいただきます。まさに採れたての新鮮なお野菜、そして自分達で育てたお野菜は格別の美味しさでした。

今が旬の間引き野菜は、お料理にも大活躍！

先日行われた懇親会では、スクールの拠点でもある「ケハレ」の運営している農家・三宅幸江さんが手料理を振舞ってくださりました。その中には、たくさんの間引き野菜が使われたお料理が並びました。

間引き人参のかき揚げ、間引き菜のサラダ（オリーブオイルと梅みつドレッシング）、間引き大根と落花生の煮物など。

様々な間引き野菜と様々な調理法に「へ～！」と驚きの声があがります。生徒のみなさんは大量の間引き野菜をどうしようかと悩んでいたところだったので、質問が止まりません。そして野菜そのものの美味しさが活かされているゆきえさんの料理からは、野菜や畑に対する大きな愛情を感じました。

幸江さんは、「間引き野菜を食べられるのは畑に立つひとの特権だよ」といいます。間引き野菜は葉が柔らかくて食べやすい上に、栄養満点で香りもしっかり味わえるもの。特に間引き人参は葉が柔らかいのでそのまま生で食べるのもおすすめだそうで、ペーストにして人参葉のジェノベーゼソースにしたら、香りも甘みと栄養を余すところなくいただけると教えてくださりました。

野菜に寄り添って料理する

私自身も、畑を耕しはじめてから料理への考え方も変化してきたように感じます。食べやすくて調理しやすい野菜を買って料理する。それもいいけれど、それだけじゃない楽しみ方もあることを知りました。

野菜ひとつひとつの声に耳を傾け、本来の美味しさを活かすように料理する。目の前にある野菜の個性、そしてその奥に畑の土や天気やあの時の思い出を感じながら料理できるのは、本当の贅沢だなと感じるようになりました。

自分で野菜をつくる喜びの一つを感じられたような。

最後に、間引き野菜がたくさん食べられる簡単おすすめレシピを一つシェアさせていただきたいと思います。（大根葉や葉物野菜でもなんでも活用できますよ！）

「お家で簡単！時短！間引き野菜たっぷりお好み焼き」

お好み焼きにはキャベツが必要でしょうか？

そんなことありません！別にわざわざキャベツを買いにスーパーに行かなくでもいい。その名の指す通り好きなものを混ぜて焼けばいい！旬の間引き野菜と豚肉でも卵でも冷蔵庫にあるもの、なんでも好きなもの混ぜて焼いてソースをかけてパクリ！簡単で時短ですが、美味しいし、たくさんの野菜が食べれて栄養満点で、お腹もいっぱいになる！お子さんにも人気のレシピです。