FARM to FORK 2022 レポート②

10月29日(土)、30日(日)に開催した、第8回食都神戸DAY「FARM to FORK 2022」。レポート第2弾では、2日目のゲストトークやライブペインティング、音楽ライブについて振り返ります。

天気に恵まれた2日間でした

両日ともに天気に恵まれ、きらきらと輝く海を背景にビーチヨガやカヌー、茅葺体験など様々なワークショップも開催。美味しい食の恵みだけでなく、陽の光や海、山を感じながらのアクティビティを通じて、自然の近くで過ごすことの心地よさを実感できるロケーションでした。

陽の光を浴びながらビーチヨガ

ステージ横の大きなキャンバスでは、神戸市在住の画家・植田真さんによるライブペインティングが行われました。2日間のイベント中にみるみる彩られていき、神戸の豊かな海と山の恵みが混ざり合うような、爽やかな作品が完成。まさに須磨海岸でのFARM to FORKにぴったりなアートを描いていただきました。

植田真さんによるライブペインティング

トーク・高山なおみさん「今あるものでつくる、神戸のごはん」
料理家・文筆家として活動する、高山なおみさんと「今あるものでつくる」をテーマにお話ししながら調理デモンストレーションを行いました。

朝一にマーケットで調達した野菜で調理デモンストレーション

神戸に暮らしてもうすぐ8年になるという高山さん。昨年のFARM to FORKにゲストとしてお呼びするにあたり、神戸でもたくさんの農家さんが美味しい野菜を育てていることを初めて知ったそうです。それから1年、今年も高山さんと一緒に農家さんや漁師さんのところを巡りました。北区のふぁーむ&がーでんヒフミ・村田さん、西区のしいたけ農家・納富さん、長田港の漁師・尻池さん、兵庫区平野町にあるコミュニティ農園「平野コープ」を訪ねて、たくさんの美味しいものに出会いました。

これまでは捨ててしまっていたような間引き菜やにんじんの葉っぱの部分、使い方がわからず手の届かなかった食用菊なども、農家さんからお話を聞いて料理にチャレンジし、新たな美味しさを発見された高山さん。今が旬のもの、近くでとれたものをいかに美味しくいただくかお話ししながら、青空キッチンでデモンストレーションを行いました。

遠足を振り返りながら、青空キッチンで料理をしていただきました

ご紹介したのは、高山さんが作ってきてくださったごぼう味噌にハーブを入れたおかず味噌や、焼きしいたけ、ビーツの間引き菜の粒マスタード炒め。それらと合わせて、須磨浦水産さんの海苔、スパイスちりめん、神戸の新米もお客さんへ振る舞われました。今、畑や海でとれるもの、家にあるものを使って「こんな食べ方もいいかも」「この組み合わせ、意外と合うな」とアレンジしながら料理をする楽しさを教えていただきました。

今回紹介された農家さんや漁師さんが出荷している食材は、毎週土曜日に開催しているFARMERS MARKETや北野坂にある実店舗FARMSTANDでもお買い求めいただけます。トークの全容はYouTubeでご覧いただけますので、ぜひ高山さんおすすめの食べ方をおうちで試していただき、ご自身でも新しい味わい方を探してみてはいかがでしょうか。

おかず味噌やスパイスちりめん、須磨浦水産さんの海苔を神戸の新米とあわせた振る舞いも

高山なおみさんのトークの全容は、EAT LOCAL KOBEのYouTubeチャンネルよりご覧いただけます。
https://youtu.be/5Rlu68pSWmc

トーク「神戸の農村&漁村サイクリングレポート」

10月初旬に開催された神戸市内の農村と漁村それぞれを巡る自転車ツアーを取材いただいた、自転車のフリーペーパー『cycle』編集部の杉谷紗香さん、ツアーに参加された農家の安福元章さんとともにサイクリング視点で見た神戸の良さについてお話ししました。

左から、聞き手・小泉寛明(KOBE FARMERS MARKET)、杉谷紗香さん(cycle編集部)、安福元章さん(西区・農家)

農村ツアーでは神戸市北区から西区の農村エリアを、漁村ツアーでは中央区から垂水区の沿岸部をサイクリング。農家さんや漁師さんと一緒に、地形や歴史、人々の生活について解説していただきながら巡りました。地形や風土の移り変わりを身体で感じながら走ることで、海、山、田畑のつながりや食べ物がどこで生まれているのかを理解できる体験だったと振り返りました。神戸の新たな魅力を探しに、みなさんもサイクリングに出かけてみませんか?

自転車で巡る、神戸市の農村ツアーの様子

様々な音楽ライブもFARM to FORKを賑わせました。海や太陽、風、田畑など風土を感じられる音楽が海岸に響き渡り、時にはうっとり聴き入ったり、またある時にはみんなで踊りながら歌ったり。日本ではあまり馴染みのない珍しい楽器もたくさん登場。ローカルだけでなく海外、ひいては地球まで思いを馳せられる、そんなパフォーマンスをしていただきました。

川辺ゆかさん、赤澤淳さんによる豊漁豊作を祝う歌、天空の目、チベットの金の目の魚、連なる歌
欧州音楽座「鞴座(ふいござ)」主宰の金子鉄心さんによるイーリアンパイプスとティンホイッスルの演奏
SANDHYAによるライブは月と太陽がまじわる神秘の時間です
BACHIKONDOOOによる西アフリカの太鼓を中心とした音楽とダンス。みんなで踊ろう!祝おう!

「豊作、豊漁、わっしょい!わっしょい!」

今年のテーマ「みんなで願う豊作と豊漁」にちなんでお神輿も製作しました。お神輿と会場装飾は、毎年FARM to FORKを賑やかに彩ってくれるTEAMクラプトンによるもの。お神輿は、稲穂や野菜、漁に使う網などであしらった、EAT LOCAL KOBEオリジナルのものです。大人も子どもも、農家さん、漁師さん、出店者さんも力を合わせて担ぎ、会場を練り歩きました。海岸に響く「豊作!豊漁!わっしょい!わっしょい!」という掛け声。神戸の豊かな環境と恵みにみんなで感謝する、楽しい時間となりました。年に一度のお祭りをこうして協力しながら作り上げることができたのも、毎週土曜日のファーマーズマーケットや農家さん、漁師さんなど活動に参加してくださる皆さんと日々コツコツと積み重ねてきたつながりのおかげだと改めて感じました。

イベント全体を通して、ご来場いただいたみなさんにも、神戸だからこそ実現できる地産地消のライフスタイルを体感していただけたのではないでしょうか。このお祭りが「食」をはじめとした持続可能な暮らしのあり方について考えるきっかけとなれたら嬉しいです。また1年、海、山、田畑の繋がりを大切にしながら、神戸の「おいしい」に出会えますように。

豊作・豊漁をみんなで感謝し、また1年実りあることを願って