農水産課・松嶋くんのインタビュー「神戸の花農家さん特集」

農水産課の若手・松嶋くんが、いろんな人に会いに行くEAT LOCAL KOBE季刊誌のインタビュー記事。2024年春号は神戸の花農家さん特集!今回は、季刊誌に載せきれなかった全文と写真を、こちらでご紹介します。

神戸市経済観光局農水産課 松嶋大貴さん

実は神戸って花が有名なことを知ってましたか ? 大学で花を勉強していたため、花のことに人一倍興味のある僕が、神戸の花の魅力を取材。
そして、神戸の花をPRする神戸花物語の会場にも突撃してきました !この記事を読んで、いろんな花を飾ってみたり、花の変化を楽しむ、そんな生活を始めてみませんか?

 

北区淡河町でチューリップを栽培する藤本さん

ーハウス一面のさまざまな形の蕾がお出迎え。一体どれぐらいの品種があるんですか?

だいたい130品種です。淡河は4人で栽培していて、それぞれが好きな 球根を買う。それで品種はバラけます。いま僕で9()ぐらいやけど、昔は30万ぐらいやってた。いまは淡河全体で35万弱ぐらいかな。夏場にユリを中心に栽培して、冬の仕事でチューリップを栽培してます。

ー驚くのが、品種の多さと豪華さ。八重咲きやフリンジ咲きなど様々な種類があるそう。以前購入した僕のお気に入りの品種もありました。

ー淡河のチューリップには、どんな特徴があるんですか?

淡河は日当たりが強い。お日さんによく当たって葉が太いと思う。それと、淡河は昔からええのを作ろうと大きい球根を使う。なんぼコストが上がろうとそこは大きいのを買ってます。その分、花も大きなる。ええもん作ったら、その値段を出しても買うっていう、少ないかもやけどファンがおってくれるからね。

ーなんと藤本さんは売られているチューリップをみて淡河かどうか分かる時があるそう。

これは淡河じゃないなと、なんとなく見たらわかる時あります。花の種類はもちろんやけど、しっかりとした緑色の葉も特徴かな。

ー確かに触ってみると肉厚で力強い葉の気がします。これも淡河の日当たりのおかげ。

ーさまざまな品種が作られているのも淡河の特徴ですか?

4人で好きなもんを作ってるからな。昔は主力品種が固まってたけど、今もう色んなものが主力。普通のやったらどこでもできるし。だから、変わったもんもチャレンジします。作ってても面白いよ。

ーこれだけの品種、それぞれ品種ごとに作り方を変えてるんですか?

同じハウスで育てていて、ある程度似てます。でも、同じハウスでも、場所によっても違うやろ。ハウスの入口とかやったら、ちょっと乾燥するやろうし。それは考えてる。背の短いやつやったら、真ん中らへんに植えようかなとか。逆に背が伸びるようなやつやったら、乾いたところで短くなるようにしてます。

綺麗なチューリップを長く楽しむ秘訣はありますか?

1番は玄関口とか。寒いところで、たまに足を切ってあげたら長持ちすると思いますよ。

どんな風に花を楽しめばよいですか?

やっぱり変化を楽しんでもらいたいかな。そこが造花と違うところ。蕾からじゃ全然色が想像できない花もあるし。固い緑の蕾の時から、ぐーっと花が開く、首が伸びる姿。それも全部楽しんでほしい。その日だけじゃなく、持って帰ったときに色んな変化があるからそこを楽しんでほしい。ユリでもそうなんですけど、蕾の段階からじわーっと咲いてくる。咲いてる姿ばっかりを見るんじゃなく、緑の蕾から咲いてくる変化の様子を楽しんでもらえたらええなって思います。

ー今年のチューリップの時期は3月で終わってしまいますが、ユリは7月頃から出始めるそう。淡河のユリは独自の美しい品種があるので、僕も楽しみです!

 

 

西区伊川谷で花壇苗を作られている三浦ナーセリーさん

ーインスタグラムでたくさんの花を作られているのを見たのですが、年間で何種類ぐらい作られているんですか?(これだけ作ってるよ」と見せていただいた手帳の中には、花の名前がびっしり!)

ここに書いてないやつもあるから品目で言ったら5060ぐらいあるんじゃないですか。1品目で5色ぐらい入ってるんで、全部だともっとですね。この時期(3)だとジュニアのプロフュージョン、百日草って呼ばれる花ですね。それと日々草ですかね。季節によっては、ダリアとか、ペチュニアとか。あと、母の日のカーネーションがあったり。秋はパンジー、ビオラ、葉牡丹があったり、時期によって変えてます。基本的には、ポット仕立てで、ガーデニング用で使っていただくような花ばっかりですね。あと、直売所に出す用の野菜苗をちょろっと作ってます。

―456月のおすすめの花はなんですか?

その頃はやっぱりダリア。あとはカーネーションかな。あとは、バーベナっていう花や百日草。 カーネーションは、母の日(512)に出せるように、ぱちっと咲かせなあかんのです。

どうやって母の日ぴったりに合わせているんですか?

もう経験で笑。加温とか、ピンチ(摘心。植物の先端の芽を切り、わき芽の成長を促す。)のタイミングとか、何月何日までにピンチせんかったら間に合わへんとかそういう経験値もあるので。品種によっても違います。ピンチを深く、結構バシッといってしまうのか、上の方の先っぽだけちょろっと切るとか微妙な調整しながら時期を合わしてるんですよ。

ー鉢花を長く楽しむ秘訣はなんですか?

いつも講習会で言わせてもらっているのは、花摘み、肥料のやり方、水のかけ方。この3つを口酸っぱく言ってます。
花摘みに関しては、すぐ種ができてしまうじゃないですか。種ができたらそっち側に栄養持っていかれてしまうんで、 次のつぼみが咲きにくくなるんですよ。だから、種ができる前に取ってしまって、次の花、次の花っていう感じで。終わったら取ってもらった方が長いこと楽しめると思います。

ー三浦さんは花を割って、白い種になる部分を見せてくれました。

ここが種になります。これは赤ちゃんと一緒なんですよ。お腹の中に赤ちゃんがいると栄養全部赤ちゃんにいくんで、お母さんの爪が薄くなった、髪の毛がバラバラなったりする。それと同じで、花も養分を持ってかれます。花は子孫を残そうと思って今必死になってる状態なんですよね。

ー次に重要なのは肥料のあげ方だそう。

肥料をあげるタイミングがみんなわからないんですよね。あげなさすぎたら、大きくならないし、逆にあげすぎたら栄養成長(花ではなく、葉や茎をつくる成長。)の方に行ってしまって、花が咲かなくなって、葉っぱがどんどんでっかくなっちゃう。だからタイミングをうまいこと、ええバランスであげないとあかんのです。つぼみがいっぱいになってくると花咲かそうと思って、土の中の栄養分をどんどん吸い上げるんですよ。土の中の栄養を全部使い終わったら、さっき言うたみたいに、自分の体の葉っぱの栄養をどんどん使って、花咲かすんです。下の葉っぱから栄養を上に上に、上げていってるので、下の葉っぱが黄緑になってきたら肥料をあげるタイミングになります。肥料は液肥(液体の肥料)をするよりかは、置肥(土の上に置く肥料)を土の上に置いてあげるのをおすすめします。置肥は、水かけるたびにちょっとずつ溶けていってゆっくり効いていくやつ。管理が簡単やし、失敗が少ないです。

ー最後は水のやり方ですね。

水は生かさず殺さず。 乾かしすぎたら根っこ痛むし、水かけすぎたら根腐れ起こしてしまう。なので、乾きだして、くちゃっと萎れかけたらたっぷりあげるっていうのを、心がけてもらえれば。あげる時間帯は午前中ぐらいまでです。水を吸って光合成するのがその午前中、昼からになってくるとどんどん光合成しにくくなります。まだこの時期(3)やったら、上に水分が残ってたら、凍るじゃないですか。だから、朝の10時までに水かけて水分を飛ばしてあげて、夜を迎えるのが1番ベストですかね。ただ、夏場でめちゃくちゃ暑い日なんかは、夕方にかけたりもします。もうどうしようもない時は、13回かける時もあります。12時ぐらいにどうしようもなくかけなあかん時は、たっぷりかけてしまうと、根っこが沸騰してしまう。そこで、表面だけ濡らすようにさっとかける。それで、温度下げてあげます。

ー花をどんな風に楽しんでもらいたいですか?

やっぱり、食べもんじゃないので、 余裕がある状態じゃないと、花見ようかなとか、植えようかなっていう風な雰囲気にならないと思うので。癒しの時間やったり、場所やったり、そういう感じのアイテムとして使ってもらえればなと思います。いろんなとこに出荷してますと言いましたけど、ほんとを言うと、神戸とかこの近辺で全部捌きたいと思とんですよ。やっぱ地域の人らが、綺麗なって思ってもらえるような場所を作れたらなと思います。

ー三浦さんの周りでは、花を使う機会が減ってきているそう。

市民花壇(市民が自主的に育成、管理を行う花壇。)の仕事もさせてもらってるんですけど、結構高齢化してきて、だんだん減ってきてるんですよね。また別の新たなコミュニティーでも、花でも植えようかなとか、育てようかなっていうような場所になったらなとは思いますね。花も使いようによっては色々あると思うんですよね。ゴミいっぱいになってしまってるところも、花壇に変えて、花植えてとか。 1個植えることによって、人が寄ってきたりとかっていうのはあると思うので。

ーさらに、花の可能性について、話をしていただきました。

花は年代によって見方が変わると思うんですよ。若い人が花見るのと、年いってる人が花見ても感じることは、それぞれ違うと思うので。例えば、子育て終わった人が見るのと、今から始める人と、同じ花見ても多分見方違うと思う。 そういうのを共有できればな。そうすれば、世代間ギャップもなくなってくるやろうしね。

三浦さんが大切に育てられている 花はどこで購入できますか?

直接買っていただけるのは JA の直売所か、 六甲のめぐみ、めぐみの郷に出してます(西区 伊川谷周辺)。そこに行ったらシールに僕の名前書いてるから買えます。他のやつは 市場やホームセンターなどに出してるので、花屋さん行ったらあるかもしれないです。なかったら言うてください笑。

ー教えていただいた花の管理方法で、家でも鉢花を楽しんでみようと思います!神戸に花を楽しむ人が増えて、本当の意味で豊かな街になっていって欲しいですね。

 

神戸市花き協会会長の相良さん

3月にデュオこうべで開催された神戸花物語。会場には、どどんと神戸の花で作られたモニュメントが!また、花を購入できるこうべ花マルシェがあり、カーネーションやネモフィラなど、有名な花から桃色タンポポや多肉植物など変わり種まで。こんなにもさまざまな花が神戸で作られていることに驚きです!他にも、寄せ植えやフラワーアレンジメントの教室も開かれてました。行きたかったーという方、次回は秋に開催されるので情報を要チェックですよ。

そんな神戸花物語について、神戸市花き協会会長の相良さんにお話をお聞きました。

神戸花物語とはどんなイベントですか?

春と秋の年2回開催しており、春は切り花と鉢花、秋は鉢花が中心。クオリティの高い神戸の花をもっと知ってほしいという想いで続けています。

花物語でどんなことを伝えたいですか?

花のある生活ですね。花を添える、花を持たせるなどの言葉があるように、花は古くから暮らしの中に根付いています。ここで地場産のいい花に出会ってもらい、暮らしに取り入れてもらえる一つのきっかけになればと思っています。花は生きもんやから、綺麗な姿も、萎れる、枯れるもあって侘び寂びの世界に通じるもんが実は花にはあんねんけど、花は保ちが悪いというイメージもある。今は花の保たせ方も色々あるから、ここで知ってもらえるといいですね。花農家の先輩たちが言ってました、花はもらって怒る人はおらへん。渡したら笑顔が見れる。

もらって怒る人はいない。最高のプレゼントですね!

ヨーロッパやったら花束抱えて渡すっていうのが日常である。日本も今は少しずつ変わってきてて、フラワーバレンタインとか、成人式の日に友達同士で贈りあったり。特別なものやったんが、もっと日常的な光景になったら嬉しい。

照れくさい方は「神戸の花が売ってたから、買ってきた!」と理由をつけて贈ってみるのもありですね。

「心のビタミン剤」として花を使ってもらう位置付けもあるかな。都会やったら色んな音が したり、情報過多で落ち着かないけど、畑に来た人から、「畑での1秒はホッとする1秒 だね。」と言われます。そんなホッとする1秒を都会にいても花を通して得てほしいな。

ー確かに、自宅や職場に一輪でも花があるだけで、少し気持ちに余裕が生まれる、そんな気がします。皆さんも生活の中で、花の小さな変化を見つけて、ちょっとした息抜きをしてみてはどうですか? 神戸花物語HPに神戸の花の取扱店も載ってましたので、コチラもぜひご確認ください。