MICRO FARMERS SCHOOL 在学生・卒業生の声

マイクロファーマーズスクールの在学生・卒業生に、事務局がインタビューを行いました。
🔽こんな方に、ぜひ読んでいただきたい記事です。
・スクールのこと気になるけど、実際どうなの?
・どんなひとが通っているの?
・卒業後は何をしているの?
🔽目次
※タイトルをクリックするとインスタグラム記事に飛んでご覧いただけます。
1期生の声(2020.9~2021.8)
藤井さん(在学中インタビュー)

東京出身、台湾のホテルにて料理人として働く。
2020年コロナをきっかけに神戸に移住し、塩屋にて奥様と台湾カフェRyu Cafeを営む。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A, 料理人として台湾駐在していた時に、農家さん巡りなどをするなかで、農業楽しそうだな〜と思ってたんです。それで家庭菜園をやってみたら、うまくいかなかったけどなんだか楽しくて。もっとやってみたいな〜と思ってた時に、インターネットでこのMFSの存在を知ってまさにコレだ!と応募しました。
Q, それで縁もゆかりもない神戸に!?
A, はい、なかったですね〜神戸は住んだことないからおもしろそうだなと思って。神戸は自然も街も近くていいなと思いました。もともとはスクール後には台湾に戻るつもりだったんですが、なぜかいつのまにか神戸でカフェを開くことに…。知り合いも一人もいなかった神戸ですが、同じスクール同期生で塩屋に住むメンバーから仕事をもらったり、ELKのFARMERS MARKETに出店させてもらったり、農だけでなくこのスクールをきっかけにたくさんの縁も機会も広がって…本当に感謝です。
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, 純粋に楽しいっすね。
今までも毎日野菜に触ってたけど、自分で育ててみて知らない世界が広がりました。例えば、アブラナ科を夏に育てるのが難しいことも、農家さんからしたら当たり前のことなんだろうけど。料理人や消費者としては、そんなこと知らずに夏もキャベツを扱っていたし、そもそもどんな野菜がアブラナ科なのかも知りませんでした。
また、ここで農を勉強したことをきっかけにお店がある塩屋でも、街のひとたちとの接点が生まれました。普段話すことない世代の違う方とも話すようになったんです。畑って共通言語なんだなあって。
街の住民としても、そこでお店を営むひととしても、街のひとたちとの接点はとても大切なことなので。農がそのきっかけになるとは、思わぬ発見でした。
Q,卒業まであと二ヶ月ですが、その後はどんな予定ですか?
A,ん〜わからないですけどね。
塩屋なら店の近くで畑ができるので、この街で畑を耕しながら、お店を営む。それを通じて、結果的に街の魅力が伝わればなあと思ってます。まあ、どうなるか分からないですけどね(笑)
◯事務局より
このスクールをきっかけに農を軸に様々なご縁ができて仲間も仕事をつくっていく姿、そしてなによりも藤井さん自身が一番に楽しんでいる姿に感動しました!スクールはあと残り2ヶ月、ラストスパート駆け抜けましょう👍
坂本さん(卒業後、ネクスト研修中インタビュー)

屋号「たひび農園」垂水区塩屋在住。元町にて、ご夫婦でカフェ営む。二児の母。
スクール卒業後はネクストファーマー制度に進み、研修2年目(インタビュー時)。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A, 私が参加した年って、ちょうどコロナがはじまった年だったんですよね。
結婚した当初から「畑と米がやりたい」と主人には言っていたんですが、出産があったりカフェを開業したのもあって、ずっと手が付けられずにいました。でも、コロナ禍でお店が休業して色んなことがストップした時に、あの頃の想いがふつふつと湧いてきて「自分たちで生きていく術がほしい!」と強く思ったのがきっかけでした。
独学で家庭菜園もしたけれど、うまくいかなかったり。就農する道も調べて色々問い合わせたりしましたが、厳しい言葉をかけれたりもして…。心折れそうになってたときに、マイクロファーマーズスクールをみつけて「これだ!」と思いました。
”農以外の仕事を続けながら農業をするマイクロファーマー” 農業に挑戦したいけれど、仕事は辞めたくないし、育児も…🤱🏻
そんな私にとって、有り難い仕組みのスクールだと思いました。
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, 農業が楽しくてしかたなかったです!育児や家事をしてると”自分の世界”ってものがなくて。主婦の方はみんな思ってるんちゃうかな?
畑にいる時間は、自分だけの世界で。畑作業に没頭できることがすごく幸せだったし、目に見えて育っていく姿をみて育てることが純粋に好きだということにも気づきました。そして、一年通ってみて農家になりたいと改めて決意できました。楽しいのは一番ですが、私なりに子供の世代に残せるものを考えた時、こんな不安なご時世やしこれからは食の安全が大事やなって。私が農家になれば、子供にも農地を引き継げるし、農業をするかしないかは子供の自由だけど、ひとつの選択肢となればな〜と思いました!
Q, ネクストファーマー研修、はじまって2年目になりますが、実際どうでしたか?
A,スクールとは全然違いますね!整った畑が最初からあるわけないので、竹林の開墾から始まり、水はけをよくするためスコップを使って溝切りとか。いろんなことを経験しました。面積も広くなるとノウハウもないし、段取りも…なかなか最初はうまくいきませんでした。でも、それこそが勉強だなと思いますし、ネクスト生になって野菜販売を始めたことでやりがいもグンっと上がりました。今は、月1回 EAT LOCAL KOBEファーマーズマーケットに出店や、月1回淡河町近くの「さかい珈琲」さんの駐車場で野菜販売をさせていただいてます。
マーケットでは、今年トマトを販売した時にリピートして来てくれたお客さんがいて。「前回より値段上がったんです…」と伝えると、「そんなんええよー」とその方が…😭そんな方々の声が励みになって来年もがんばろうと思えてます!
Q,最後に、坂本さんはどんなマイクロファーマースタイルを目指されているんですか?
A, いままでは少量多品目の野菜を考えていましたが、ひとつ作物を絞ってから、その後に定番をやっていくスタイルにしようかなと思いました。まずはトマト。そうすれば、お客さんにも覚えてもらいやすくなるし、そこから輪を広げていこうと思います。加工も好きなのでゆくゆくは6次産業化していろんな方向性を試しながら一年間なにかしら販売できるものがあるようにしていきたいです。
あとはちょっと話がズレるかもしれないけど…【農業って子育て世代のお母さんでも自分のペースでできて、社会に役立つ生業】なんじゃないかと思うようになりました。私も最初は、子育てもあるしカフェもあるから、育てた野菜はお店で使う用に〜と思っていたんです。
でもやっていくうちに、自分で売り先も考えて生計を立てたい!と思うようになりました。自給だけでなく、社会の中での自立力をあげたい!ともすれば社会との繋がりが気薄になってしまいがちな育児中の母としても、農業は社会で自信をもっていける仕事なんだって。そんな風になればなあと思っているんです。
◯事務局より
栽培も販売も、様々なやり方や挑戦しながら自分のスタイルを築きあげていく坂本さん🌈最後には“母であり農家”としての熱い想いを聞くことができました!育児中のお母さん達はもちろん、子育てに関わるすべての人にとっても、共感できるポイントがあるのではないでしょうか。ぜひマーケットにも会いにきてくださいね♪
1.5期生の声(2021.3~2022.2)
伊藤さん(在学中インタビュー)

愛知県出身。神戸市外国語大学4年生。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A,わたしは将来、農に近いパン屋になりたいと思ってます🍞地域の食材をつかってパンづくりをしたいんです。農業でバリバリ稼ぎたいというわけではないですが、まずは生産者の立場をしりたいなと思って、まずは一回やってみよう!と思い、参加を決めました。それに今年は大学四年生で授業もそんなにないし、最後の1年間どうすごうかなと迷っていたところこのスクールの存在を知ったんです。
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, 本当に農の知識ゼロの状態から始まったので、たくさんのことを学びました。農業という仕事の前に、野菜、食べ物に関しても新たな発見や気づきがたくさんでした。野菜を育てると一言でいっても、栽培の方法がこれほどたくさんあることに驚きました!探り探りですが、気になることを実験的にやってみるのが楽しいです!
Q,伊藤さんの区画はお花や藁があったり、とてもカラフルで可愛いですが、何かこだわりはあるんですか!?
A,コンパニオンプランツについて調べて紹介されたハーブをナスの間に植えています!種類がたくさんあって選べなかったので、色々植えてみたら思った以上に可愛くなりました(笑)雑草よけに敷き藁をひいたり、おじいちゃんの手作りぼかし肥料やコンポストを入れてみたり、実験的にいろいろ挑戦しています🌾
Q,卒業まであと二ヶ月ですが、その後はどんな予定ですか?
A,今ちょうど就活中で、決まってないんです。それでも、将来的には自然多いところに住んでパン屋さんになりたいので、卒業後もここで学んだことを忘れないように、家庭菜園で野菜栽培は続けていきたいと思います👩🌾
◯事務局より
最初、伊藤さんから応募があったときは「大学生!?」とスタッフでびっくりしていましたが、仕事・人生に農をふくめた将来設計をして、着々と歩みを進める伊藤さんにはいつも刺激をもらっています🏃♀️また、同期生がみんな年上というなかでも、積極的にみんなと協力をしていて本当に頼もしい👍多世代にわたってマイクロファーマーズコミュニティをみんなでつくりあげていく姿に、わたしたち事務局メンバーもワクワクです🌈
2期生の声(2021.9~2022.8)
小栗さん(卒業後インタビュー)

屋号「めぐり農園」神戸市北区在住、三児の母。
卒業後も、MFSサポーターとしてスクールにも顔を出してくれて、現役生のサポートをしてくれています。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A, ある日、たまたまテレビでレモン畑が映ったのを観て。その時、突然雷が落ちたみたいに「レモン農家になりたい!」と思ったんです。冗談だと言われるけれど、本当なんですよ(笑)それから、どうすれば農家になれるのかな?と思い、調べて見つけた「就農フェア」でこのスクールを知りました。当時は仕事もあったので、このスクールだったら仕事をしながら通えるかも!と思い、申込を決意しました。
Q, か、かみなり!?⚡️レモン畑の衝撃からすごい行動力‥!マイクロに通ってみて、どうでしたか?
A, 今まで北区に住んでいたけど、淡河町にはほとんど来たことがなかったんです。でも、山を越えたときに見える農村風景が本当にきれいで…感動したのを今でも覚えています!畑作業も、教えられるがまま虫の退治に必死だったけど、野菜が育っていくのをみる度に、畑に来るのが楽しくて仕方なくて。先生や同期のみんなに会えること、淡河に来ることが日々の楽しみになっていました♪
Q,卒業後、同期のみなさんとの会うことはあるんですか?
A, ちょうど先日、同期でビアガーデンにも行ってきました。卒業してからも、半年に一回は集まってますね!この歳になってこんなに仲良くできる仲間に出会えると思ってなかったです!いま振り返っても、みんなで天気や野菜の話で盛り上がって、一緒に作業していた時間が本当に楽しかったな〜と思います。卒業してからは基本一人で作業なので、あの環境が懐かしくなっちゃいます。それでも、また淡河に来れば仲間や先生とも会えて、今でも沢山アドバイスをもらって。こんないいとこないよ!って思います。ほんとパワースポットです❣️
Q, 神付有機農業教室・ELK班にも参加していましたね!
A, マイクロの講義の中で保田先生が「有機農業とは未来のために土を育てるもの」と話されてたのが印象的でした。土を元気にすれば野菜は病気や虫に負けず元気に育つ!ということや、元気な土で育った野菜を食べれば健康でいられるとか、「保田ぼかし」の作り方も学びました。本当に野菜たちがすごく元気でおいしいです!
Q, そういえば、たくさん援農にも行かれていましたね?
A, 知りたい、やってみたい、学びたい!気持ちのままに、時間の許す限り、たくさんの農家さんの所へ出かけました。農家さんのもとで実際に体験することが一番勉強になります。また、農業をしていく上でとても大切なことは、人のつながりだと思います。マイクロ生時代からそれは教わってきましたが、何よりも大事だなと実感しています。困った時に相談できる先輩や仲間がいるという安心感はすごいです。培ってきたつながりをこれからもずっと大切にしていきたいです☺️
Q, 今後の予定は?
A, 淡河町のお隣・山田町で果樹農家として就農予定です。メインの果樹作物はぶどう。野菜は農薬を使わずに育てます。学校給食用の玉ねぎ栽培を軸に、カラフルな野菜を育てるのが好きなので、楽しみながらいろいろチャレンジしたいです。
果樹の栽培は野菜と違う点も多く、無農薬で栽培する難しさも身に沁みてわかりました。それでも、マイクロで学んだことや保田ぼかし活かしながら、できるだけ植物や環境・身体にやさしい栽培方法をみつけていきたいと思っています。
実験的にレモンも育てます🍋「北区でレモンはできひんやろ〜」「無理無理〜」と散々みんなに言われてきましたが「まあみてろよ!」という気持ちで、とにかくやってみます🔥
今まで本当にいろんな人にお世話になって、いろんなことを教わったから、実践していきたいです。いよいよ、本番がはじまる!というか、やっとスタートラインに立ち「わたし農家です!」と言えるようになったのが嬉しい。正直不安はあるけれど、これまで学んできたことに自信を持って、これからも突き進んで行きます!
◯事務局より
様々な学校で学んだり、研修や援農に出かけたりと、スタート前にしっかり勉強された小栗さんらしい力強さ、骨太さを感じました。いつも笑顔でみんなに優しく、柔らかい雰囲気でありながら、ご自身の志に真っ直ぐ、どんどん突き進む小栗さん!事務局メンバーも、これからも小栗さん応援しています🌈
2.5期生の声(2022.3~2023.2)
上米良さん(卒業後、ネクスト研修中インタビュー)
屋号「つなぐ農園 」神戸市灘区在住、公認会計士、三児の父。
卒業後はネクストファーマー制度に進み、ネクスト一年目(インタビュー時)
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A, 結婚してから料理担当は、平日は妻、週末は僕が担当しているんですが。妻の関心の高さや、子供が生まれたこともきっかけとなり消費者として【食の安全】が気になるようになってきました👨🏻🍳
買い物する時は、農薬を使わない野菜を探したり選んで買っているんですが、取り扱っているお店も野菜の数も少ないし、価格も高いし…自分で作れないのかな?と思ったのがきっかけでした。最初は農家になりたいというよりも「純粋に野菜作りをしてみたい!」という想いから始まりました。
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, スクールの個人面積(70㎡)で思ったよりたくさんできるんだ!というのが最初の印象でした。スクールに通う前は、プランター栽培をやっていたけど、美味しくなかったり育ちが悪かったり。スクールに通いながら、地元の加古川で自然農を実践している貸農園も借りていたんですが、もちろん環境も考え方も違っていて面白い。夏は2回、冬は1回の栽培しか経験していないのでまだ何も言えませんが、農業の奥深さを実感しています。
Q, ネクストファーマー研修がはじまりましたが、実際どうですか?
A, そうですね~まさにマイクロファーマーとして農と本業のバランスには悩んでいます⚖️ネクスト生になって野菜販売を何度かしましたが、農業で生計を立てている農家さんは本当にすごい…と、改めて実感しました。本当に。
それに、そもそもスーパーに並ぶ野菜が安すぎることにも疑問を持ちました。だれが、どんな風に作っているのか?で野菜を選びたい。正当な価格で買い物をしたいとも感じるようになりました。
そうはいっても、まずは栽培から販売の経験を重ねて、今の面積で、今の栽培法で、どれくらいの収量と収入が見込めるのか?を認識することが大切だと考えています。有機肥料と牛糞、有機肥料のみ、無肥料、などいろんな栽培方法も試しています。とはいえ、販売が前提なので、実験はほどほどに(笑)あえて急かされるくらい多めに植えています!
また、屋号の『つなぐ農園』は、「代々受け継がれた野菜を次世代につなぎたい」「都市と農村をつなぎたい」といった想いから決めました。品種も固定種に絞って栽培し、種取りまで行うことを大切にしています。種取りをして、来年からは2代目ナスとか3代目ピーマンとか、そんな風に販売するのもいいな~なんて考えてます!
Q,販売についても詳しく聞きたいです🎤
A, 販売は、ファーマーズマーケットさんに出店したり、FARMSTANDさんに出荷させてもらったり、家の軒先で販売させてもらっています。数年前からご近所の庭先で丹波の無農薬野菜が販売されていたこともあり、安心で美味しい野菜なら商業施設の店舗でなくても買って頂けるかも…という可能性を感じ、家の前でのまずは販売をはじめました。僕自身、ものづくりが趣味で、看板や木彫りのポップ立てをつくるのも楽しいんですよね。
Q, お家の前でも!?すごい!ご家族のみなさんの反応はどうですか?
A, 家族はとても肯定的で応援してくれてます。「つなぐ農園」のインスタは妻が担当してくれていますし、彼女はいろんな構想ももってます💭一番下の息子は小学生なんですが、畑の草抜きをよく手伝ってくれます。虫がいたらそっちに夢中ですけど🤣笑
Q, 最後に、どんなマイクロファーマースタイルを目指されてますか?
A, 今は会社に勤めながら、休日と平日の出勤前に畑に通っていますが、農業を生業にするためには畑の時間をもっと増やさなきゃと思っています。本業と農業どちらを先に独立するのか、どちらを主軸に置くのか、など常に考えています。また、栽培に関しても作物は単一に絞ったほうが率もいいし、他の人と被らない作物の方が希少性が高まることは分かるんですが…「自分が食べたいもの、家族が食べたいもの」ということを僕は大切にしたいと思っています!それが農業をはじめた原点ですから。
効率や収率とのバランスを取りながらも、あくまで僕は消費者としても【安全で、健康で、おいしい野菜】にこだわりたいと思っています。
◯事務局より
心に秘めたブレない想い、純粋な好奇心、栽培のこだわり。それだけでなく、計画と行動と振り返りを次に活かし続ける姿に心打たれました!私もインタビューを通じて、上米良さんが同期生のなかで、「青い炎」と言われる理由がわかったような気がしました🔥
3期生の声(2022.9~2023.8)
吉田さん(卒業目前インタビュー)

屋号「まいころファーム」神戸市北区在住。
卒業目前の今(インタビュー時)、これまでとこれからについてお話を伺いました。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A, いままでJA(農業協同組合)に20年勤めてきました。仕事の関係で、農業の歴史や課題などを勉強する機会があり、高齢化によって農業従事者は年々減少、それに伴い耕作放棄地は増加…これから日本の農業がどんどん衰退していってしまう…といった課題を知りました。そんな時、ふと我に返って「私は何をしているんだろう?」と、なんとなく危機感というか使命感を感じて…もやもやしていました。
「これから誰が農業やんねん!農業やってみたい!」と思い立ちました。それに、職場では農家のひとたちと関わることが多かったんですが、みんな活き活きしていて魅力的だな〜と感じてたんです✨だから、私はJA職員としてではなく、農家として農業に関わろうと決意しました。
もちろん、農業が儲からないことは嫌というほど知っていましたし、私は虫が大の苦手なので(笑)職場の人や、家族には反対されました。でもだからといって、諦めてしまったら誰も農業に参入できないし。1人の力なんて知れてるかもしれないけど、まずは自分が農業で生活できるところまで示して、後に誰かが続いてくれると嬉しいなと思いました🔥
マイクロファーマーズスクールを見つけた時、半農半X的な多様な働き方にも興味をもっていたので、これだ!と思いました。とりあえずやってみて、やりながら試行錯誤して道を探していきたいし、行動でみせるしかないと思うんです。家族にも自分が育てた野菜を食べて長生きしてほしいですしね!(一年通った今では、家族も応援してくれています)
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, めっちゃ楽しくて!すごく充実した一年でした!農業の知識はほとんどなかったので、ついていけるか心配でしたが、ここで基礎から教えてもらいながら、自分で調べたり同期生と共有したりして。一から栽培を学べて本当に楽しかったです🌱
まだ虫はきらいですが、野菜が育っていく過程がすごく楽しいし、収穫までいくと嬉しいです!自分の世話の仕方次第で綺麗にも汚くもなる、というのにも惹かれています。がんばりに野菜が応えてくれているようで。
また、スクールで農家見学に行ったり、加工品の授業もあってとても勉強になりました!農家見学は栽培はもちろんですが、道具や縄などの使い方や、小屋の整え方とか、みなさんそれぞれ個性があって工夫が凝らされていてました。加工品の授業も免許のとことか販売のこととか学びがたくさん!ここでしか学べない内容でとても参考になりました。
本当に、マイクロは私の生活の一部になっていました!いろんな学びがあったし、同期のみんなと仲良くなれたし、先生も年代が近いから色々聞きやすいし。同期メンバーからは、なぜか”おてんば娘”と呼ばれてますけど😅きっと、これがやってみたい!って、いろいろ試しすぎてるからかな(笑)でも、みんなとても気にかけてくれて、卒業がさみしいです…。休日にもスクール生同士で、バーベキューしたり、みんなで農業に関わる講演会やイベントに行ったり、仲良くなれました!
この歳になって、職場のひとではない親しい友達というか、同志ができるなんて思ってもみなかったです✨本当にかけがえのない経験だったと思います❣️
Q,もう卒業まであと1ヶ月ですが、その後はどんな予定ですか?
A, 楽しすぎて、留年したいくらいですよ〜(笑)卒業後は、農家さんの元でアルバイトを続けながら、就農を目指してネクストファーマー制度に進みます。農業をはじめてから年代を超えて共通の話題ができた気がしました。アルバイト先の農園に来られる方や地域の方などお話しする機会があり、そこでできたご縁で、農地も紹介していただきました。その圃場でネクスト制度に進み、栽培に加えて直売所への出荷や毎月の出店での販売にも注力したいです。
長期的には、マイクロファーマーとして農業+自分の育てた野菜を加工品にして販売したいですが、まずは畑をうまく管理できるようになることから。一歩ずつ階段登っていきたいです👣
◯事務局より
”おてんばガール”と呼ばれてみんなから愛されてる吉田さんですが、秘められた高い志と強い決意をお聞きして、本当に胸が打たれました🔥そんな農への真摯な姿と吉田さんのお人柄は、周りのひと達がどんどん仲間になってしまうような魅力があるな〜と感じさせられました!
豊田さん(卒業目前インタビュー)

灘区 ・広東料理 天天 @tenten_ojikouen 店主。
卒業目前の今(インタビュー時)、これまでとこれからについてお話を伺いました。
Q, スクールへ参加のきっかけは?
A, 中華料理店を始めてから10年ほどになりますが、元々は師匠から引き継いだお店で。それもあって、日々料理をしていて自分には何かが足りないとモヤモヤしていたんです…自分のやりたいことやこだわり、中華のやりがいを見つけたいと模索していました。
そんななか、 EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKETで朝ごはんの出店させていただくようになりました。そこで、いろんな農家さんの野菜を使わせていただいたり、工夫して野菜を料理する飲食店さん達に出会ったりして、とても楽しいなと感じました!野菜づくりにも興味を持ちましたが、お店やりながらって時間も場所も難しいよな〜そんな風に思っていたら、妻がこのスクールを見つけて「一回やってみたら、ええやん!」と背中を押してくれました。
もちろん、飲食店として日曜を休みするのはハードルが高かったけど
✔日曜の講座は2週間に一回で、それ以外は自分で調整した畑にいけること
✔野菜づくりが学べて、育てた野菜はお店で使えること
それを踏まえると、“店のいま”にデメリットがあっても”店の将来”には大きな意味があるなと感じました。農業も初めてなので合わないかもしれないけど、とりあえずやってみるか!と決心しました💪
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, 純粋に、楽しいです!黙々と作業するのも楽しいし、いい息抜きになってもいる気がします。毎日、お店にこもって料理しているので、違う業種の人と知り合うのも新鮮で、本当に楽しいです。
また、実際やってみて「この面積でこれだけやったら、これくらい採れる」といった感覚がわかりました。それは大きな学びだと思います。今は、野菜の種類や量を色々と試しているところですが、これから野菜づくりを続けていくなかで、お店をやりながらでも可能な面積ややり方を、自分なりに見つけていきたいです。
Q, お店で使っている野菜のうち、何割くらいが豊田さんの育てた野菜なんですか?
A, 2割くらいですかね。秋の玉ねぎはもっとやればよかったなと思いましたが、この夏はピーマンや空芯菜は買わずに済みました。ほとんどは使い切ってしまいますが、きゅうりやゴーヤは中華ピクルスのような感じで酢漬けにしたりして保存しています
Q, お店のメニューにも”店主の育てた〇〇”という文字があってとっても素敵だなって思ってました🥢野菜を育て始めて、お仕事にも何か影響はありましたか?
A, たくさんできた野菜は、メニューにめちゃめちゃ登場してますね(笑)パクチーとクラゲのサラダ(パクチー、赤玉ネギ)、空芯菜と豚肉のニンニク炒め(空芯菜、ニンニク)、夏野菜と鶏肉の甘酢炒め(玉ねぎ、ゴーヤ、ピーマン、ジャガイモ)、大根もち(大根)など。自分が育てた野菜を使うようになって、自信をもって食材や料理の紹介ができますし、お客さんとのコミュニケーションにつながっています。
Q,もう卒業まであと1ヶ月ですが、その後はどんな予定ですか?
A, まずは、神戸ネクストファーマー制度に進みます。いますぐ就農したいという訳ではないですが、将来どうなるか分からないですし。農家の資格がないと、農地付き物件が買えないのでそれを無くしておきたいのもあります。でも一番は、とりあえず野菜作りを続けていきたいという思いです。野菜づくりは続けないと忘れてしまう気がします。勢いでやるのもいいけど、僕はコンスタントに栽培を続けていきたいです。
◯事務局より
いつもランチ前の忙しいタイミングにも、こまめに畑作業に来れられていた豊田さん👨🍳野菜も上手に育てられてすごいな〜と事務局一同も感心させられていました。今回改めてお話を聞いて、ご自身の想いに向き合い問いかけながら、一歩一歩を真剣に積み重ねていく姿に感動しました🔥
3.5期生の声(2023.3~2024.2)
中居さん(在学中インタビュー)

垂水区在住、理学療法士、一児の母(大学生の娘さん)
半年後に卒業を迎える今(インタビュー時)のお話を伺いました。
Q, スクールへの参加のきっかけは?
A,子供の影響が大きかったです。娘が高知の高校に進学にし訪ねる機会が増えたのですが、そのあたりは農業が盛んで、棚田の美しさや素材本来のおいしさを身体で感じたんです。元々、子育てをしながら食には気をつかってはいましたが、改めて「食べることやつくること、暮らすこと」に興味をもちました。
それから農業をやってみたい!という思いはありつつも、資格をとった方がいいという家の考えに凖じて医学療法士の資格を取得しました。今は高齢者さんと関わる仕事を行っていますが、次世代に貢献できることは何か?と考えた時、ずっと興味があった「食べること」×「次世代に役立つこと」って”農”なんじゃないか?と、改めて感じたんです。
とはいえ、いきなり農業だけで食べていくのは難しいだろうと思い、手に職をもちながら農業をしたいな〜と思っていたときに、神戸ネクストファーマー制度の存在を知りました。
色んな研修機関があったので調べていくと、マイクロファーマーズスクールのHPに載っていた「講師・森本聖子さんからのメッセージ」という記事を読んで感銘を受けました。「こんなきっかけで農業を始められるんだ!農家さんもいろんな人達がいて、そんな方々のもとで学びながらチャレンジできたら嬉しいな」と思い、応募しました。
高知県での高校生活を経て、娘は今大学で「生物と人との共存」についての研究をしているんですが、それも刺激になっていて。娘は研究、母は農業で、これからの地球環境や次世代の人たちの役に立てたらな〜と思っています。
Q, 実際スクールに通いはじめてどうでしたか?
A, 農業のむずかしさと、楽しさと、これからも農業を続けたい!とった思いなど、色々あります!ですが、スクールに入学する前の面談の時、事務局の方から投げかけられた「今の仕事に農をどんな風に活かせると思いますか?」という問いが今も印象に残っていて。その時は仕事とリンクさせるって難しいな〜と思っていたんですが、実際にスクールに通い、いろんな農法や農家さんがいることを知ってから「もしかすると、栽培技術と知識と管理能力さえあれば、仕事ともリンクさせられるんじゃないかな?」と思えるようになりました。
今の仕事は訪問リハビリといって、その方の社会活動への復帰を目指すための活動を行っているんですが、その再雇用先に農業があってもいいんじゃないかな?とも思うようになりました。農業は若手の担い手不足といった課題をよく伺いますが、若者による農業と共に、社会復帰としての農業もあっていいんじゃないかな?🌱などなど、今はまだアイデアベースですが、新しい目標もできました!
農を学べば学ぶほど、その難しさや楽しさだけでなく、マイクロファーマー的な仕事との組み合わせ方をポジティブに構想することできるようになりました🌈
Q, 3.5期生のみなさんも仲良しですが、その秘訣はなんですか?
A, え〜ほんまにみんながみんないいひとやからかな😂もちろん背景や考え方もそれぞれだけど、受容して尊重してくれる。スクールがない時も、LINEはいつも動いていて(笑)農業の情報の共有はもちろん、仕事終わりに一緒に飲みにいったり、聖子先生のイベントに行ったり、一緒にいてとても楽しいのもそうだけど、お互いにすごく刺激をもらうんです!本当に仲間に恵まれたな〜と感じます。
Q,もう卒業まであと半年をきりましたが、卒業後はどんな予定ですか?
A, 先月の中間発表会のときは、正直模索中だとお話していたんですが。農業でがっつり生計を立てるというよりは、今の仕事を続けつつ農地付きの家を買える選択肢がほしいので、ネクストファーマー制度に進み就農資格を取りたい思いはあります。
「みんなが帰って来れる場所、生活の近くに農がある暮らしをしたい」中間発表を終えてから、強くそう思うようになりました。時間はかかると思いますが、焦らず実現させていきたいです。
◯事務局より
いつも温かい笑顔と優しさでみんなを包み込んでくれる中居さん!そんな柔らかな雰囲気でありながら、胸の中にある強い芯と愛情に満ち溢れた想いを知り、とても感動しました!これからがますます楽しみですね。
そして、本スクールのHPに掲載している「メイン講師・森本聖子からのメッセージ」は、私自身もすごく感銘を受けた記事だったので、個人的にとても嬉しかったです♪また講師や運営メンバーの声なんかもお伝えできればと思います🤭お楽しみに♪
4期生の声(2023.9~2024.8)
藤井 香さん(卒業後インタビュー)

西区在住、二児の母。
卒業後はネクストファーマー制度に進み、研修を行う圃場開拓中!(インタビュー時)
Q,スクールへの参加のきっかけは?
A,私は西区の農家に嫁いだこともあって、野菜を作りたい!というよりも、農村の景色を維持したいという気持ちが大きかったです。家の裏で畑をするおばあちゃんの畑に対する姿勢がすごく美しかったんですよね。今はもう亡くなられてしまったんですが、ずっと忘れられずにいました。私自身はずっと農作業はしておらず、育児や仕事など日々の忙しさだけで精一杯でした。でも、子供の手が離れる時期が見えてきて「次わたしは何をしよう?」と思った時、おばあちゃんの姿が思い出されて。
何かするなら、いま暮らしているこの環境を活かしたいなあと思い始めました。まずは、自分が農業に向いているのか?農家とはどんなものなのか?それを知りたいと思った時、マイクロファーマーズスクールが思い浮かびました。やるなら今かなって。昔からファンでよく行ってたファーマーズマーケット内で、小さな体験スクールがあり、参加した時に「やっぱり申し込もう!」と決心しました🌈
Q,実際に通いはじめてどうでしたか?
A,野菜の栽培は経験ゼロからのスタート。土作りや作付計画も何もかもが初めてで、どれもが楽しくて。やって、失敗して学んで、教えてもらって、またやっての繰り返しを、一年間経験したから次へ進む土台ができた気がします。
座学も大好きで、野菜のことは何も知らなかったけど、理科の授業みたいに植物のしくみから教えてもらえるから、それも面白くて。なかでも、事務局の鶴巻さんとヒロさんの話がグッときました。鶴巻さんが話していた「農村は時間と人の連続性を感じられる」「棚田はそれぞれが独立していながらも、ちゃんと自分の田んぼを管理することで連続性が維持されている」という言葉が刺さったんです。その時、鶴巻さんの言葉とおばあちゃんの姿がつながって「私は農村のそういうところに安心を感じていたんだ」と、言語化された感覚でした。
もう一つは、ヒロさんがローカルエコノミーの講義で話してくれた「スモールな成長」というキーワード。相反する2つの言葉だけど、私はとても腑に落ちました。2人の言葉が軸になって、これから私が向かうべき所がクリアになった気がします。
Q,実際に、ご家族のみなさんの反応はどんな感じですか?
A,夫は農家の息子なのでお米づくりは教えてもらっていますが、どちらかというと、やらなきゃあかんからやっているという感じでした。
でも、私がスクールに行きだしてからは、夫も作業を手伝ってくれるうちにハマっていって。下の娘はあんまり興味ないといった感じでしたが、この前「バイトの帰りにネクストファーマーの畑を見てきたよ!」なんて言ってくれて(笑)その娘が畑作業の様子をInstagramのストーリーにアップすると、友達が反応するみたいで。今度、娘の友達も手伝いに来てくれることになったんです!
私が農業をしたい理由の大きなひとつに「次世代に農耕文化をつなげたい🌱」という想いがあるんですが、無理強いしても続かない。私がやっていたら子どもたちも響いてくれるかな?と密かに思いながらやってきた面もあったので、すごく嬉しいです!
Q, どんなマイクロファーマースタイルを目指していますか?
A,今はスクール修了前の最終プレゼンのおかげで、頭の整理ができ、言ったからには頑張らな!って。スクールを通じて、農村の景色が好きやなって改めて思えたので、私はやっぱり農村の価値を上げていきたい。毎日の畑作業を継続して行うことで農村の景観を維持し、農耕文化を次世代につなげていきたいです。
いまは週5で働いているので、土日の作業で、この面積で、野菜や果物がどれだけ収穫できるのか?やってみながら計画を立てていきたいです。夫のサポートにも支えられていて、夫は土作りと草刈り担当。わたしは計画と日々の栽培担当。
私がおばあちゃんに背中を見せてもらったように、今度は旦那さんと2つの背中になって、私たちが楽しんでやっている姿を次世代に見せられたらなと思っています。頑張り過ぎたら息切れするから、ちょっとずつ地に足をつけながら。85歳までは動けていきたいですね🌈
◯事務局より
今までやってきた4年間のスクールも、9年間のファーマーズマーケットも、すべてに意味があったと思える藤井さんのインタビューでした。事務局から見ても、この一年の藤井さんの行動や発言、内面のポジティブな変化などには驚かされることがたくさん!こうして小さな農を担う仲間が増えていき、大切なものを助け合って守り育て、そして背中を見せていく。そんなお手伝いができるなら、私たち事務局もスクールを続けていきたいです。親子2代でスクールに!なんてことあるかも? これからが楽しみです🌞