高山なおみさんと神戸の小さな旅①「おいしいを見つける、海と田畑の神戸旅」

高山なおみさんと神戸の小さな旅
「おいしいを見つける、海と田畑の神戸旅」
「今あるものでつくる、神戸のごはん」

料理家・文筆家である高山なおみさんと一緒に、神戸をめぐるシリーズです。

市民と農水産業をつなぐイベント「食都神戸DAYFARM to FORK」のステージで、高山さんにトークをしていただくため、一緒に農家さんや漁師さんに会いに出かけました。その様子を、2021年度分、2022年度分とふたつのタイトルでお届けします。

「おいしいを見つける、海と田畑の神戸旅」で伝えたいこと。
あまり知られていないことですが、じつは神戸には豊かな田畑や海があります。田畑や海に栄養を与えてくれる、六甲山という山もあります。そんな環境のなかで私たちは、農家さんや漁師さんと手をつなぎ、おいしい暮らしをサスティナブルにしていきたい。そのためにも、まずたくさんの方々に神戸の豊かさを知ってもらいたい!と思い、製作しました。

また、まちなかで暮らしているとついつい農家さんや漁師さんの存在が薄れがち。でも私たちが食べているものは農家さん・漁師さん無くしてはありえません。それを思い出し、「農家さんや漁師さんを応援しよう!」から卒業して、「農家さんや漁師さんと私たちが手をつなぎ応援しあう!」そんな気持ちがあふれる神戸になれたらいいなと願いを込めて。

「今あるものでつくる、神戸のごはん」で伝えたいこと。
それは、いまある旬の食材や冷蔵庫に残った食材の「顔」を見てから、献立を決めることの楽しさです。高山なおみさんは朝起きると冷蔵庫のなかをのぞき、お昼ごはんと夕ごはんの献立を決めると、それを楽しみに一日を安心して過ごせるそう。

「あれがないから作れないな」と残念な一日にするのではなく、「あれはないけど、代わりにこれで作ろう!」と、今あるものでウキウキしながら日々献立を考えておられるのだろうなと想像します。それは暖かな日も寒い日も、元気な日も悲しい日や寂しい日も。

「献立を考えるのが億劫」とか「アレがないとコレはぜったい作れない」と思っているひとたちが、様々な固定概念から自由になり、高山なおみさんのように「今あるもの」で日々の献立を楽しめるきっかけになれば嬉しいです。そして「今あるものでつくる」ことが食材を余すことなく美味しくいただくことにつながることも願って。

 

 

高山なおみさんと神戸の小さな旅
「おいしいを見つける、海と田畑の神戸旅」

 

DAY1 AM:西区農家さんへ

元農園(チアファーム)浅川さん。マーケットに参加しているお店からでるビールや豆腐のしぼり粕なども利用して、元気な野菜を栽培されています。
はじめての落花生掘り。「未熟な落花生は茹でたら皮ごと美味しい」と、なおみさんが言ったら、浅川さんはびっくり!
水茄子、縞紫茄子、エホバク、コリンキーを収穫しました!
いちじく農家・久國さんご夫妻。 完熟すると柔らかくなるいちじくは、産地と消費地が近いのがいちばん!旬の季節には、朝採れのいちじくがFARMSTANDに並びます。
完熟いちじくは自然にスッと採れると、教えてもらいました。
気づけばすごいスピードで収穫しているなおみさん…!
追熟をしない無花果は、採ってすぐが一番おいしいんです

DAY1 PM:北区FARMHOUSE ケハレに到着

FARMHOUSE ケハレの縁側でほっと一息。かと思いきや、浅川さんの落花生の選別をはじめる、なおみさん
いろんな大きさ、いろんな形の落花生。かわいいなあ
夕暮れ、今日をふりかえる静なる時間
今日いただいた野菜を使って、夕飯づくり。北区農家NIUfarm 三宅ゆきえさんと、なにをつくるか作戦会議!NIUfarmさんはできるだけ自然の営みに沿った農業を行い、自分たちの食べ物を自給することを大切にされています。

DAY1 夜ごはん:なおみさんとゆきえさんの手料理

エホバクは片栗粉をつけて焼くだけでとってもおいしい(エホバクは、ズッキーニに似ていますが韓国かぼちゃとも呼ばれており、身が柔らかくて生でも食べられます)
軒下からは、炭で鯛を焼くいい匂い!
NIUfarmさんのインゲンとじゃこの炒め物
大切に育てたお野菜を料理してもらって、とても嬉しそうなゆき江さん
夕飯が食卓に並びました
お野菜たっぷり。心も身体も喜びます
デザートは今日収穫したいちじく!あまい!

DAY2 朝ごはん :焼きたてパンと自家焙煎コーヒー

昨夜の余韻も愛おしみながら「朝ごはんはなに食べよう?」
ゆき江さんが、フライパンで平パンを焼いてくれました!
まさに焼きたて…ふわふわ…幸せ…
平パンにバターを塗って、フレッシュいちじくをのせてもいいね!
みんなでパンをちぎり、分け合う朝ごはんはしあわせの味

 

DAY2 AM:北区農家さんめぐり

ケハレを出発して、まずはご近所さんから。うちのにわ・真下さんご夫妻を訪ねました。うちのにわさんの畑には、蜂の巣箱や野菜はもちろん、ニワトリ、柿の木。何と小さな池まで。まさに「畑っていうより庭」と、ご自身がおっしゃっていたとおりです。
ほうれん草と、ツルムラサキの花の収穫
急に走り出したとおもったら!大切なはちみつを守るために、スズメバチ退治!
採れたてのオクラは生のままで。種がこぼれて勝手に育ったトマトもパクリ。これは畑でしか味わえない!

 

次は、森本聖子さん。いちごをメインに、ハーブや少量多品目の野菜を育てられています。 OLから転身して就農した経験を活かし、MICRO FARMERS SCHOOLのメイン講師としても活躍中!
トマティーヨはじゃがいもみたいな味がする!? トマティーヨは、メキシコ料理によく使われる大きなほおづきです。
セロリを収穫したら、花束みたい!思わずパクリ!
ディル好きのなおみさんに、聖子さんが苗をプレゼント!

 

DAY2 ランチ:北区さつまいも農家つるまき農園

新米を羽釜で炊いてる間に、みんなでおかずづくり!
さつまいもの味噌汁とコリンキーのサラダ。コリンキーは生で食べられる黄色いでかわいいかぼちゃです
ゴーヤの和え物をつまみ食いっ!この鶴巻さんの一品がなおみさんのお気に入りに。
炊き上がりました!ごはんのいい香り〜!
ちょうど芋掘りの手伝いに来ていたFARMSTANDスタッフ・たくちゃんも一緒に。みんなでいただきます!
鶴巻さんのお家は居心地が良すぎてのんびり。結局、予定の芋掘りには行けず、お家でゆっくりしちゃったのはここだけのお話。さあ、次へ出発!

DAY2 PM:北区・弓削牧場

弓削牧場では、大切に育てられた牛のミルクを中心に、循環する酪農を目指されています。チーズやお料理、お菓子づくりをはじめ、ホエーの利用、養蜂、バイオガス、消化液肥を使ったお野菜やハーブの栽培など、全てがつながりながら営まれています。
まずはぐるっと、牧場見学!
牛の糞尿からできた消化液肥で育てた菜園。採れたてのフレッシュな野菜やハーブはレストランで使われています。まさにおいしい循環…!
かわいいスタッフさん達ともおしゃべり
場長の胸が熱くなるお話を聞きながら
いろんな種類のチーズやケーキもいただきました
ミルクを飲んでご満悦!たくさんのお野菜とチーズをお土産に、2日間の旅を終えました

DAY3:旅するFARMERS MARKET@垂水漁港へ

旅するFARMERS MARKETが開催されている垂水漁港が、最後の目的地!
先日出会った神戸の農家さん達とも再会しました
季と菜と魚と さんたかさんの朝ごはん「鱧うどん」神戸の海では鱧も獲れるんです
旅で出会った森本聖子さんのホップを使った、IN THA DOOR BREWINGさんのホップソーダ!
若手しらす漁師チーム・ペアトローリングスの西村さんによる「神戸の海としらす」のお話も聞きました
実は神戸空港の沖では、たくさんのしらすが獲れているんです ▶「実は神戸は豊かな海だった」https://eatlocalkobe.org/gyoba_map2021/
なおみさんの大好物、シラスとちりめんじゃこをシンプルに食べ比べ!神戸で獲れるほとんどは、カタクチイワシだそう。調理法で、こんなに違った味わいに 
青空料理教室も見学。鯛をさばいてビールフリットに!

 

この旅を記録したムービーも制作しました。ぜひご覧ください!

 

みなさん、高山なおみさんとの小さな神戸旅はいかがでしたか?

高山なおみさんと神戸の小さな旅②「今あるものでつくる、神戸のごはん」も公開されました!ぜひあわせてご覧ください。

 

あとがき

 

EAT LOCAL KOBEでは「地産地消がつくる日々の幸せ」や「地産地消が次世代のためにできること」を、これからもみなさんと一緒に見つけていくために活動していきます。引き続きどうぞよろしくお願いします。

そして、いつも温かな笑顔で私たちを照らし、大らかに若いスタッフにも機会を与えてくださる高山なおみさんに、心から感謝もお伝えしたいです。ありがとうございます!

動画撮影:有限会社 Lusie 原さわこ
写真撮影:有限会社 Lusie 久保陽香

EAT LOCAL KOBE
神戸市 / 食都神戸運営共同事業体

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