POP UP ポートランド開催レポート 準備編(前編)
11月11日土曜日、東遊園地でのファーマーズマーケットにてPOP UP PORTLANDを開催。アメリカオレゴン州のポートランドから神戸にきてくれたSEEDS TO PLATE JAPAN TOUR2023のメンバーは総勢6名。リーダーのシェフファーマー・ステイシー・ギブンズさんが神戸にやってくるのは3回目。2016年から続く交流の一貫として開催されたわけだが、コロナ渦の中断を経て、昨年秋に神戸から関係者がポートランドを訪問(昨年秋の様子はこちら)。それを受けて今回はポートランドから6名のメンバーが来神してくれました。
今回来神したポートランドのメンバーはステイシー・ギブンズさんを筆頭に、染物や陶芸の作家でもあるジェイミーさん、トランスジェンダーのフュージョン・メキシカンのシェフであるルナさん、イラストレーター兼アーティストのレティさん、キャンドルセラピーのスモールビジネスオーナーであるプレシャスさん、20年前にポートランドに移住し陶芸家として活動するマユミさん地域にあるものを使い自らの手でつくることにチャレンジする女性メンバー。
前編ではマーケット直前までの訪問先との交流の様子、後編ではファーマーズマーケット当日やトークセッションの様子をお伝えします。
過去の神戸ツアーでは神戸の農村で活動する農家を訪問した。今回は神戸市内のスモールメイカー(農産物を含む地域産材を使って循環型ものづくりを行うスモールビジネス)と交流したいという要望があったので、神戸市内含めて6箇所のスモールメイカーツアーを行った。
こちらからは、フォトアルバム的に写真とキャプションで当日の様子をご覧ください。
11月9日の朝、灘高架下にあるカルティベイトインダストリーへ。姫路の畜産業から出る牛革を使い、神戸のオフィスでこのアトリエでデザイン・試作品製造を行い、豊岡でOEM製造、海外や東京などのセレクトショップなどで商品を販売している。デザイナーであり代表の岩永さんから説明を受けるメンバー。
同じ高架下にあるマジカルファニチャー・小寺さんの作業スペースへ。
続いて、兵庫区の山麓で廃屋化していた家屋を続々と購入し、リノベーションを続けている西村組の拠点であるバイソンへ。空き家を再生し多様なアート活動や展示が行われている。西村組のオフィス、アーティストインレジデンス、茶室、ギャラリーなどを見せてもらった。
当日は、ベトナムからのアーティストグループも滞在していた。神戸で起きている空家を使った地殻変動のような文化的活動のいぶきを感じてもらえたのではないか。
続いて北区にある弓削牧場へ。ポートランドと神戸の交流のハブとなっている篠原杏子さんの実家でもあり、過去のSEEDS TO PLATE DINNERでステイシーさんがディナーイベントを開催した場所。酪農業(チーズや牛乳づくり)を中心にしたレストランの運営、野菜づくり、バイオガス製造実験、糞尿液肥の製造販売など、牧場内での資源循環の仕組みを体感してもらった。
弓削牧場では、ジェイミーさんが染物ワークショップで使うための植物を採取させてもらう。
午後からは、神戸を出て、西脇のtamakiniimeさんへ。伝統的な播州織に現代的なデザインをとりいれている。製造工場を見学させてもらったが、どの商品もすべて違う「いってんもの」という考え方。
植物から染料をつくる実験、アルパカや羊などを飼育し、羊毛づくりの実験などの用水を聞く。商品の端材を回収して、生地を再生産するなどの取り組みなども。兵庫県のものづくりの奥深さを感じてもらえたのではないか。
夜は北区淡河町の古民家に集合し、北区の農家NIUFARMさんの自家製野菜を中心としたディナーを堪能した。日本的なうまみを引き出す彼女の料理に、ポートランドに連れて帰りたいとのコメントがでるほど。
翌日は朝早くから北区淡河町の陶芸作家・十場天伸さん、あすかさんのアトリエへ。地域の土や間伐材をつかった作品づくり、素晴らしい火入れ釜や絶景の作業場を見せてもらいメンバーもハイテンションに。自宅で朝から彼の器作品にて抹茶を頂く。
続いて、かねてから交流のある北区淡河街の森本聖子さんの畑へ、翌日のフード提供の仕込みのために野菜を頂戴しに出かける。元気な大根とセロリを受け取り、料理人ルナさんは久しぶりの調理準備に気合いが入る。
ルナさんはアトリエ・レピスで翌日提供する料理の仕込み。お互いシェ・パニーズ(サンフランシスコにある著名な料理店)で研修したことがある者同士、話に花が咲く。